喪主決めからお寺の手配まで葬儀前にやるべき事は山積

日本で一般的な葬儀を執り行うのであれば、喪主は絶対に必要です。遺族を代表して全体を取り仕切り、責任を持つ立場が喪主ですので通夜が始まる前までには確定しておく必要があります。まず、肉親や生前故人と親しかった方々に訃報を知らせることが喪主として最初にやるべき事になります。次に遺影用の写真を選びますが、最近では終活の一つとして生前に遺影を撮影したり、遺影として使いたい写真を決めておく人も多いので、そうした場合は故人の遺志を尊重する方が妥当です。

喪主としてやるべき事で最も重要なのは、葬儀の場所と日時の決定です。最近は自宅で執り行うケースは少なくなりましたので一般的には葬祭場やお寺などで行います。現実には遺族だけですべてを取り仕切るのは難しく、多くの場合はプロである葬儀社に依頼することになります。場所が決まったら日程を決めます。その際火葬場が休業になる日は除外しなければなりません。最近は六曜は民間習俗であり仏教とは何の関係もないという理解が広まったことから、日にこだわらない世代が増えています。しかし、高齢者の中にはこだわりを持っている方もおられるので、十分な説明が必要になることもあります。火葬の日時が確定したら逆算して葬儀の日時を確定させます。ただし墓地埋葬等に関する法律によって、死後24時間が経過しないと埋葬または火葬はしてはならない決まりがあるので、この点は注意する必要があります。

仏式での葬儀であれば、次は住職の段取りです。一般的には菩提寺と同じ宗派のお寺にお願いすることが多いですが、宗教観の希薄化が進む中で菩提寺や実家の宗派を知らない世代も増えています。そうした場合、特にこだわりがないのであれば葬儀社に相談して手配を依頼します。火葬場の空き、僧侶のスケジュールなどでどうしても葬儀まで1週間ほど要するケースもあります。このような場合はご遺体を傷ませないように、エンバーミングを施すことが大切です。どうしても間に合わないような状況であれば、先に火葬を済ませるケースもあります。葬儀の段取りに一定の様式はありますが、絶対的なものではありません。従来からの慣習を尊重しつつ、現実的なタイムリミットや場所の制限などを勘案しながら喪主がやるべき事は非常に多く、いずれも大切なことであるという事を覚悟しておく必要があります。

仏式の場合一番気を遣い、トラブルも多いのが戒名です。戒名とは本来仏教徒が仏門に入って仏教の教えや戒律を守る証となるものですが、実社会では仏壇に安置する必需品となっています。トラブルが起きる理由は、戒名の漢字や文字数によって格付けがあり、戒名料の格差が大きいことが挙げられます。戒名料は明確な価格表がなく、お寺側も金額を明示することは稀なので、一種の阿吽の呼吸と相場感を読み取ることで落としどころを決めるのが一般的です。その落差が大きい場合は後々トラブルめいた事態を招くこともあるので葬儀社に相談するのも一つの選択肢ですし、可能であれば複数の葬儀社からの情報を照らし合わせるのも喪主としてやるべき事の範疇に入ります。